深夜二時くらい。隣で規則正しい寝息を立てながら夢の中に落ちたジャンルカの頬をつつく。どうやら完璧に寝たみたいだ。
念のためにそっと布団を剥がして無防備なジャンルカの上に跨る。沸々と湧き上がる征服感がたまらない。ゆっくりと衣服をずらして白い肌にキスを落とす。程よく鍛えられた腹筋にうっとりしながらも手はズボンの中。ジャンルカが起きないようにそっと、中心部に触れた。
「なんだよ、寝てるくせにおっきくしやがって…」
するすると下着ごとズボンをずらしてみれば、寝ているのにも関わらずジャンルカのそれは元気になっていた。いつもならそうまじまじと見つめたりしないけれど、今はジャンルカが寝ているから見れる。見ていても何も言われない安心感がこみ上げて、気がつけば無意識にそれを口に含んでいた。
(…ただの欲求不満じゃん…)
そう思いながらも丁寧に奉仕をしていくと、たまにジャンルカがぴくりと動き、その度にびっくりして口を離してしまう。熱くなった中心部がだんだん質量を増してきて、先端から先走りが流れ出た。ぺろりと舐めて、指で絡めたそれは自分の中心部へ誘導する。
ある程度濡れていたため指をすんなり受け入れられる状態になっている中心部にジャンルカを宛がった。
「ん、…こいつ…、寝てるのにっ、おっき、い…」
ぎちぎちでようやく奥まで入ったけれど入れるだけで精一杯。それだけで乱れる呼吸を整えながらジャンルカのお腹に手を置いて腰を浮かせた瞬間、心臓が止まるかと思った。
「何してるのかな、マ ル コちゃん」
「ジャンルカお前起きて、っあ、や、やめ…ひゃあっ」
「人の寝込みを襲うなんて…」
グッと腰を掴まれたと思いきや下から勢いよく突き上げてくるジャンルカ。さっきまで寝てたのが嘘みたいだった。
的確にいいところを刺激されて、せっかく呼吸が整ってきたのにまた一段と荒くなる。
「本当は毎日したいんだろ?」
「あっ、ジャン…そこや、だぁ…っ」
「素直になればいいのに…」
「んん、あっ…やっ、」
知らないうちに自分も腰を振っていたなんて、やっぱり欲求不満なのかもしれない。ジャンルカとするのは一週間に二、三回。本当はそれじゃ足りない。でもセックスをした次の日は練習が辛くなるし、あいつは許可なく中に出すからお腹も痛くなったり。とにかくあまり自分からしたいとは言わないのだけど。
たまにジャンルカが恋しくて仕方がない時が来る。多分今がそれ。ずっと繋がっていたい、とか、思ってしまうわけで。
「んっ、んん…それ、きもち、い」
「奥がいい?マルコこれ好きだもんな」
「ひっあああ、やだ、ぁ」
上体を倒してジャンルカにぺったりとくっつく。ジャンルカの攻めも止まるはずがなく、強く抱きしめられながらお互い達した。
ジャンルカの熱いものがまた中に注がれて、あとの事を考えると滅入るけれど今は満足だった。
「で、お前いつから起きてたんだよ」
「ズボンずらされた時。まさかあんなにオレのこれ見つめるとは思ってなかったよ」
「…やめてくれ…恥ずかしい…」
「自分から跨って、最終的には腰振ってたし、」
「やめろ!!」
「そんなにしたかったんだ…もう一回やる?」
ジャンルカの苛立つくらい爽やかな笑顔に負けて、ただ一回、こくんと頷いたのが後の祭だった。
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夜這いマルコちゃん。