「日曜日のお昼、広場の噴水の前で待ってるから…って」

「うん…」

「うんじゃないわよ。返事は、」

「あー…、貸して」



姉ちゃんの携帯に受信された一通のメール。ジャンルカからだ。今週の日曜日に会いたい、とデートに誘われた。
何て返事をすればいいかわからず、部屋の空気も重くなる。


「考えすぎじゃない?」

「姉ちゃんにはわからないよ。オレの気持ちなんて…」

「…あんたまさか…ジャンルカくんが好きになったとか…?」

「……………」

「え、うそ、ビンゴ?」

「…わからない、けど」


嫌じゃない。
今はこう言うしかないというか、あまりにも急展開すぎたこともあって頭がなかなか回転してくれなかった。


「返事、しなきゃな…」

「マルコ」

「んー?」

「…ううん、何でもないわ…」

「何だよー…」


カチカチ、カチカチ。
携帯のボタンを押す音が響く。文章を打つだけでこんなにも体力を使う日が来るなんて思ってなかった。
画面に送信完了の文字が表示されると、そっと携帯を閉じる。ふう、と息を軽く吐けば、またもやもやとした気持ちになった。


(気がつけばジャンルカのことばっかり考えてるなんて、)


手に持った携帯がブルブルと震える。
オレの心もブルブルと揺らいだ。
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