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ガアァンッ「っ何だ!?」
突如響いた大きな爆発音に、カズが後ろを振り返る
マル風Gメンのやり方が気に食わなくてアイオーンたちと協力し、邪魔をしていた一行は思わず立ち止まってしまう
「何だろうね、今の…」
ブッチャらが首を傾げるその隣で、アイオーンだけは心当たりがあるのか考え込んでいた
「今の音…」
「何か知ってんのか、アイオーン」
「いえ…心当たりがないわけではないですが……ですがあり得ないし…」
言い淀むアイオーンに詰め寄る小鳥丸
「何だよ、気になるじゃねーかよ」
「いや…あの音は"炎の道"を走る時に出る音に似てましてね…」
「炎の…」
そう言われて皆の脳裏に浮かんだのは同じ人物だろう
「スピット・ファイアかい?」
「かと私も思ったんですが…彼がこんなところで走るとは思えず…」
「じゃあ誰なんだよ」
いくら考えても他に思い当たる人物が思い浮かぶわけもない
だが一度気になってしまったからこのまま分からずじまいというのは我慢ならない、というわけでカズにブッチャ、そしてオニギリの3人は音の発生源に向かって走っていった
そんな少年たちの後ろ姿を見送りながら、アイオーンはポツリと呟いた
「あんな激しい"炎"…見たことないですしね……」
。
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