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床が崩れた理由、それはイッキがハンマーの怪力を利用して壁を壊させたからだ
100%勝てる後だしジャンケンで時々わざと負けながら
「たまにはツルんでやんのも悪かねぇぞ?」
「この…ファッキンカラスが…」
こうして、前代未聞のタッグ戦が始まった
「―――そこにいるの、誰」
スクリーンに気をとられていたせいか、声をかけられるまでその存在に気付けなかった
驚き、反射的に後ろを振り向けば……そこにいたのはセーラー服を着ている髪の長い女の子で、朱音は目を見開く
「…金姐…?」
驚いているのはセーラー服の少女も同じで、まさかと言わんばかりに懐かしい名前を口にした
少女がよく知る"彼女"とは姿は全く違うが、自分を見るその優しい瞳は変わっていない
『……、久しぶり。元気にしてた?蓮花…』
誤魔化すことをせず、ニコリと笑えば少女――蓮花は嬉しそうな笑みを浮かべて飛びついてきた
「やっぱり!久しぶりね金姐!!」
行方知れずになってた姉と慕う"金色"と再び会え、蓮花は抱きついたまま甘える
『ふふ、元気そうで何より』
「…アキラ、金姐がいなくなってとても悲しそうだった」
『、うん…』
「金姐、何で急にいなくなった…!?」
前より少しだけ大きくなった少女に、朱音は困ったとばかりに目線をそらす
『それは、言えないの』
言ってしまったら、関係ない蓮花にまで迷惑をかけてしまうことになる
『……ごめんね』
そんな悲しげな表情を浮かべて謝る彼女に、蓮花がそれ以上追及できるわけがなかった
。
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