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―――…僕は、バカだったよ…
こんなにも弱くて、こんなにも無様な……
こんなにも―――
「ビックリしたなぁもう……しすぎてつい気絶しちゃってたよ…」
――まさかこんなにも!超獣が弱くて無様でたいしたことなかったなんて!
喰ってあげるよベヒーモス!ローヤルゼリーでたっぷりとね!
FIRE!!【ア…アンビリーバボ…】
二段式FIRE!!【ア…アンビリーバボッ!喰らった〜!喰らってしまった、あのヘカトンケイルがっ…!】
ブッチャの攻撃がまともにヘカトンケイルに当たる
会場はまさかの試合展開に驚いている
「大番狂わせ…あるかも、ね」
スクリーンの中で繰り広げられる戦を楽しげに見ている少女は、隣に立つ男に視線をおくる
「こんなに上手くいくなんて…あの咢くんですら予想してなかったんじゃない?」
少女――シムカの問いかけに、スピット・ファイアは首を横に振る
実際、この試合展開には特別驚いてもなかった
ブッチャのポテンシャルは"夜王"の時から注目していた
「それよりも…気になるステージがあるんだ」
「…カラス君のとこ?今画面ちっこくて…分かりづらいね」
「…いや……」
スピット・ファイアが注目しているのはイッキではない
彼の視線はずっと、第2戦場――"時"を統べる支配者の世界へと、注がれていた
。
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