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06 かつて共にいた友

【第2話】




「それじゃダメだってんだろ―がウスィ〜の!線からハミ出てるぞボケッ!ブタ2匹、テメーらもだよ!なんだその醜い走りは!そんなんでよく生きてられるな!空気のムダだ、死ね!!」


あの夜から1週間が経過し、小鳥丸はベヒーモスとの決戦――Dクラス"キューブ"で勝つための猛特訓の最中、なのだが……


「やかましいよっ!僕はもともと壁走りは得意なんだっ!ごちゃごちゃ口を出さないでくれるかなっ!!」


「ほぉ?このコーヒー豚め。あのクサレライドがウォールライドのつもりか?一遍ミジンコからやり直せファック!!」


……大丈夫、なのだろうか?

"キューブ"で戦うのならカベの技術は必須だ

ということで咢が小鳥丸の皆を指導……と言えるかは微妙だが、とにかく練習を重ねていた

朱音が横から見ている限り、カズがこの中では一番上手い気がする

努力型の人間の見本のような人だからか、すごく楽しそうにやっている


ドゴォッ!!


イッキは少し離れた場所で1人ひたすらパンチの練習をしている

余程あの"ハンマー"坂東ミツルに負けたのが悔しかったらしい


「ヤツらはこの神に3つの大罪を犯した。俺様を侮辱した罪!おれ様を小物扱いした罪!そして俺様を無視して勝手に話を進めやがった罪!!」


『いや、3つとも大差ないけど…』


言っていることはおかしいが、やる気に満ちあふれているイッキに触発されて、皆の練習にも気合が込められてる気がする


「朱音ちゃん、もうそろそろ明日の準備しに行こう?」


『リンゴ…うん、そうしよっか』


朱音たち女性陣は後方支援ということで、泊まりこみで練習する彼らのご飯の用意を担当することになっていた

さすがというか、食べ盛りの男子中学生が必要な量はハンパではない(特にブッチャ)

なので前日の夜のうちに下準備をしようということになったのだ


『じゃあ皆、私達抜けるから』


「頑張ってね!」


「了解―メシ楽しみにしてるからな―」


咢にゴシゴシとしごかれているカズたちを横目に、朱音はリンゴたちと共に教室を出て家庭科室へと向かった



――夜は、まだまだ長い



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