47 kanata side
夢見は最悪だったが、現実世界では結構面白いことになっていた。
2日間を寝て過ごし、3日目起きると朝早いのにも関わらずウルとユウが真剣な表情で机に向かっていた。
うっすらと覚えている限りでは、とりあえずこの2日間で読み書きをほぼマスターし、今日から本格的な練習にうつるはずだ。
「いい?まずはすっごく基本的な幼児向け魔術本からマスターしていくよ」
「お、おう」
俺に背を向けるようにして喋っている2人は俺が起きたことにもまだ気づいていないようだ。
思いっきり緊張してると分かる声色で喋る2人に思わず笑ってしまいそうになったが我慢する。
魔術が扱えないなんてことはおそらくないだろう。ユウからはそこそこ強い魔力のオーラを感じ取れるのだから…
取りあえず様子を見ることにし、寝たふりしながら2人の後姿を見る。
「…取りあえず、ユウの魔術特性を調べないとね」
「魔術特性?」
懐かしい…特性調査か。
これは本人の向き・不向きな魔術を調べるのに一番手っ取り早い方法だ。
用意するものも簡単で、庶民から王族まで幅広く使われている方法でもある。
「いい?ここにあるのはただの1枚の白い紙。この紙に魔力を流して映った色で判断するんだ」
赤、青、緑、茶。
赤は炎、青は水、緑は風で茶色が土を現し、それが紙の上で本人の魔術特性のままに彩る。
「ちなみに僕の場合はほぼ青色で緑が少し。赤と茶色なんてこれっぽっちも映らなかったよ」
「へぇ…ということはウルは水属性ってわけ?」
ちなみに俺の場合は原色同士が全く同じ濃さで混ざり合ってたけどな。
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