09
「着替えたぞ」
ウルと他愛もない話をしている間にいつの間にかユウは着替え終わったらしい。
「、っアンタなんでカナタさんになんて口のきき方…!」
「ほーら落ち着いてウル。コイツは俺が特別に許したからいーの」
「でもあんな奴…っ」
本当に許せないらしく、ウルはキッとユウを睨みつけている。
礼儀正しいウルが年上相手に敬語がとれるなんてよっぽどだ。
「俺がいいんだからいーの。ウルだって別に普通に喋ってもいいんだぞ?」
「そんな…!僕がカナタさんに普通に喋れるわけないじゃないですか!一生無理です!」
「別にいいのに。俺とウルって4つしか離れてないんだぞ?」
「……おい、ちょっと待て」
放置されていたユウが恐る恐るといった様子で話に割り込んできた。
話に入ってくるなとばかりにまたウルが可愛らしく睨むのを頭をなでることで止めさせる。
「4つ離れてる、ってことは…ウルさんって俺より…年上?」
「何言ってるんですか。あなたが15歳以下だっていうんですか?」
呆れたように言ったウルの言葉に、俺はあぁと小さく声をもらす。
そう言えば俺、ユウに年誤魔化したんだった。
「ってことはウルさんは16歳…そして4個離れてるってことは………カナタさん、アンタもしかして20歳!?」
「ははっバレたか」
「25だなんて意味ない嘘をつくなぁぁぁ!」
ユウの叫びと俺の笑い声が路地裏によく響いた。
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