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「な、な、何を勝手にっ!!」
「別に問題ないじゃん。ウヅキユウタなんて名前名乗ったらバカにされるだけだし。これから"名前"を名乗る時はユウじゃないと効力発揮しないから気をつけな」
「俺の名前を勝手に決めるな!」
「あーもうウゼ。いいじゃん、全く変な名前にはしなかったんだし。これも"享楽"の一部だと思って諦めろ」
「……そう言えばアンタ、さっき俺に"享楽の提供"ってのを条件にしたんだよな。なんだよ、そのキョーラクって」
少し冷静になったのか、漠然すぎる俺の要求に不安を感じたのか、ユウは恐る恐るといった様子で聞いてきた。
俺はハッキリ言って、別に異界人であるユウに多大な要求をしようとはこれっぽっちも考えていない。
というか期待するだけ無駄だろう…今時子供でも知ってるような術すら知らないんだから
だから、俺は漠然とした要求にした。
「お前は、俺に"楽しさ"を与えてくれればいいってこと」
「はぁ?何だよソレ」
言ってることは間違ってはいない。
俺が楽しいと思えるようなことをしてくれればいいってことだ。
「別に今カラダで払えって言ってるわけじゃないんだからいいだろ?別にそれぐらい」
「カ、カラダ!?」
途端、鳩が豆鉄砲食らったかのような変な顔で俺を見てきたユウ。
…俺、何か変なこと言ったか?
「お、俺は男で、お前も男だぞ!?」
「んなの当たり前だろ?何言ってんだ今さら」
普通にお互い体つきを見れば男だってことぐらいすぐに分かる。
少なくとも俺はお前を女だとは全く思っていない。
「……もしかして、お前いたトコって男同士とかなかった、とか?」
。
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