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21



「―――な…、何よアンタたち!!」


ミヨはこの空間に突如として現れた2人組を穴があくぐらい凝視する

ここに他者が入ってこれるわけがないのだ

ここは佐藤亜希によって"拒絶された空間"だ

つまり、この空間の支配権は亜希にあり、ひいてはミヨのものということになる

なのに、少女が支配しているはずの空間に、土足で踏み入れられた


「亜希、亜希よね…!?」


眼帯をつけた藍色の髪の彼女を見て、ミヨは忌々しげに顔を歪める

一目見ただけで、眼帯の少女が彼女の<壊せなかったモノ>だということを理解してしまったからだ


「……お…まえ、ら……」


「!あの時の…!」


オレンジ色の死神は必死に言葉を紡ぐ


「に、げろ…っ」


一護にとってこの2人組が何であろうと関係なかった

だが、ここにいては危ないのは確かだ

今の亜希に、自分たちの声は届かないのだから


「逃がさない!」


だがそれをミヨが許すわけがない

何故彼らがこの空間に入ってこれたかなんて考える必要はない

今ここで、その<理解できないモノ>を壊してしまえばいいのだから


「ソレを消して、お姉ちゃん!!」


自身の人形に命令を出せば、彼女はそれに従い一護に突き付けていた刀を2人に向けた


「亜希…!?」


光の灯っていない瞳を真正面から見て、少女は悲痛な悲鳴をもらす

自分を<凪>だと認識しているとは到底思えない、暗い暗い瞳


「…っ、おい…亜希…!」


動けない体ながら、一護は必死に声を絞り出す

自分がこのような目にあっているのは自業自得だから別に構わないのだが、あの2人は全く関係ないのだ…これ以上巻き込むわけにはいかない


「さぁお姉ちゃん!!」


せかすミヨの言葉に従うように、亜希は2人に近づき―――刀を、振りあげた

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