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「黒崎さんは、亜希ちゃんが心配だから見舞いに来たんですよね…?その心遣いに、資格なんて関係ないと、思いますけど…」


血だらけになりながらも、最後まで亜希の体を気遣い極力怪我をさせずに戦っていた一護

亜希と彼の関係性はあまり良くなかったのは分かっているが、それでもあの時亜希のために戦ってくれていた

そして今も、非難されるかもしれないと分かっていながらもココに来た……そんな彼を責めるような人ではないだろう、亜希は


「……、」


一護は驚いた表情でそんなツナを見つめる

ただ気弱そうだという第一印象が間違いだったのだろうか?

少し腰はひけているが、真っ直ぐこちらを見る目は力強さすら感じる

彼に言われると、そのように思えてくるから不思議だ


「……ありがとな」


「えっ!あ、いやそんな黒崎さんに礼を言われるようなことなんて何も…」


「ってかなんでサン付なんだよ。タメなんだから呼び捨てでいいのに」


「えぇっ!?よ、呼び捨てはちょっと……」


「なら俺も沢田サンにしたほうがいいのか?」


「いやいや呼び捨てでも何でもいいって!むしろサン付されると怖……」


「あ?」


「な、なんでもないです!はは、ははは…」


乾いた笑みを浮かべるツナに、一護もまた小さく笑う

この打てば響く感じは、どこか圭吾に似ているような気がする

―――少しだけ、肩の荷が軽くなった気がした


「ようこそ、お二人さん」


「!浦原さん、」


カラン、と下駄特有の音と共に現れた浦原に、2人は驚く

声をかけられるまで、全くその存在に気付けなかった


「亜希サンと凪サンは奥の客間にいますんで、どうぞ」


「え、あ、あの、浦原さん、は…」


「ちょーっと用事がありまして、ね」


失礼させてもらいます、とにこやかな笑みを浮かべて外に出て行った浦原の後ろ姿は、どこか楽しげで


「……?」


「あ、なら行きましょっか」


不思議そうに首を傾げた一護だったが、ツナに呼ばれ、重たい足取りで奥へと向かった

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