41 立ち上がる勇気
――そう、最初は単なる暇つぶしだった
永い時を無意味に過ごし過ぎた故の、単なる気まぐれ…いや思いつき
「――単なる、好奇心」
人間にしては不思議なその霊圧が、ただ己と波長が合っただけの、偶然
幽閉され、自由にならない現状に飽き、たまには現世を見てみようか、そんなきっかけ
「だが―――…」
己の"存在"が娘の精神を食い潰していることは知っていたが、どうだって良かった
幼い身体が"己"に耐え切れず霊圧をたれ流しにしていたことだって…
「―――" "」
誰にも聞こえぬように、唇が小さくその名を紡いだ
。
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