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後ろから再び捕まえようと駆けよってくる兵士たちはフランキーがまとめて相手をしている
アリスもこの海楼石さえなければ参戦するが…まぁ無理なのだから仕方がない
裁判所と司法の塔はかなり距離があるが、それでもルフィは腕を限界まで伸ばしてこちらに飛ぼうとする
「"ゴムゴムの"ォ―――」
「――っ待って!!」
だがそれを止めたのは、他でもないロビンだった
唇をかみしめ、彼女は叫ぶ
「何度も言ったわ、私は…!!あなた達の下へは戻らない!!帰って!!!私はもうあなた達の顔も見たくないのに!!」
『ロビン…!』
「どうして助けに来たりするの!?私がいつそうしてと頼んだの!!?――私はもう…死にたいのよ!!」
死にたいと叫んだロビン
彼女は自分が死ぬ事でルフィをはじめとした麦わらの一味が助かるのなら喜んでその命を差し出すだろう
今のロビンは…自分の命よりも彼らの命のほうが大切だと思っているのだ
―――"助けて"と、"行きたい"という言葉は使ってはいけないと…思っているのだろう
「うわ…うわははははは!!面白ェ!!何だコイツら!!わははは!!」
遅れて登場したスパンダムは手を叩いてこの状況を楽しんでいる
兵士の相手をしていたフランキーは冗談じゃないとばかりにロビンに怒鳴る
「てめェ何のつもりだ!!命懸けでここまでお前を助けに来た奴らに対して…!!おい"魔女"、お前も何か言ったらどうだ!!」
『……』
フランキーの言葉に、しかしアリスは何も答えなかった
今、いくらアリスが言葉を重ねてもロビンを動かすことはできないと分かっているからだ
ロビンを解放できるのは、ルフィをはじめとした麦わらの一味だけ
じくじくと不快な熱を放つ海楼石の錠
早くこの一件を片付けなければ大変なことになるだろう…熱を帯び始めたのがその兆候だ
だから、全てをルフィたちに賭ける
「わはは!!よォしよく集まったCP9!だがもう少し待て…今麦わらの一味が、内部崩壊を始めた所だ!見守ろうじゃねェか!!わははは!最高に面白ェ!!」
CP9がぞくぞくと集まり、フランキーがカクに吹き飛ばされても――アリスは壁に寄りかかったままロビンたちから目を逸らさない
――必ず…必ず、ルフィは助けてくれる…
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