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『な…!』
アリスたちが見ている目の前で、どんどんフランキーの下半身が膨らんでいった
彼が人造人間(サイボーグ)だということは理解していたが…
その様子に気づいた兵士たちが集まるも、彼らも何が起こっているのか分からずただ見ていることしかできない
スパンダムが現れた頃にはもう人間とは思えない程下半身が膨らんでいた
「おぉスパンダ…俺は自分の命の淵を悟り、自爆という道を選ぶ…せめて憎いお前達を道連れに……!!」
「何ィ!?」
「直径3kmの大爆発をもって俺の人生の幕を引くんだ。止めてくれるな」
3、とカウントダウンを始めたフランキーにスパンダムを始めとした兵士は我先へと逃げていく
「行くぞニコ・ロビン、ウィザー・D・アリス」
「え…」
『ちょ、っ』
1、と言った時点で周りには誰もいなくなっており、それを確認してフランキーは器用に両足で彼女らを抱え込んだ
何をする気なのか全く分からないアリスはただ大人しく抱えられるままだ
自爆する気は欠片もないと分かっているからそれの心配はしていないが…
「"風来噴射(クー・ド・ブー)"!!」
フランキーの下半身の膨らみは、溜めこまれたガスのせいだった
それは勢いよく外に吐き出され…その勢いで3人は前へと飛ばされることとなり、鎖を引き千切り壁を壊してどんどん飛ばされていく
空が見え、金網に勢いよくぶつかったことでようやく止まることが出来た
一瞬落ちそうになるが、何とか堪え3人は建物の上へと移動する
―――アリスらが立っている場所は、"裁判所"の屋上が良く見える場所だった
『あ…』
とても小さいが、確かにあの麦わら帽子が見えて小さく声が漏れる
それはロビンも同じようで、彼を見たまま固まっている
「ハァ…コーラあと1本ありゃぁもう1発"風来砲(クー・ド・ヴァン)"で向こう岸まで行けたんだが…まァいい。麦わらがいるぞ。さァお前、ちゃんとあいつに応えろ!」
ロビンは立ちあがり、麦わら帽子の彼と向き合う
「……ルフィ…」
「お―――!!ロビーン!それにアリスも!!よかった!まだそこにいたのかァ!!」
その元気な姿を見て、アリスは小さく笑みを浮かべた
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