77 エニエス・ロビー
立ち止まることは許されなかった
生まれてからずっと、帰る家も持たずに母娘でずっと走ってきた
罪だと、"正義"の文字を背負うあの人たちは言った
存在すること自体が罪だと言った
――罪?冗談じゃないわ…!私の大事な娘をそんな言葉で貶さないでくれるかしら!!私を背に庇い、罪だと言った人に言った母の言葉は、今でもよく覚えている
エニエス・ロビー司法の島 エニエス・ロビー
「CP9がお着きに!!」
「罪人を連れ出せ!」
列車の外には多くの海兵が待機しており、列車の扉がゆっくりと開かれる
がぶっ!
「そ――っと扱えバカ野郎!俺を誰だと思ってやがる!!」
フランキーは自由にならない身でありながら海兵に噛みついたりしていて騒がしい
ロビンは反抗することなく大人しく立っている
そしてアリスはと言うと――またカクによって抱えられていた
『…下ろして』
「何言うておる。まだ満足に歩けないんじゃろ」
確かにそうだ。先程自力で歩こうとしたら転んだから事実だ。だけど…
「さすがCP9…あっちの黒髪の女は20年政府が追い続けたニコ・ロビンだろ?」
「す、すげェ美人だ」
「じゃあカクさんに抱えられてる赤髪の女って…」
「バカ、あれは"魔女"だろ!"紅の魔女"アリス!!ニコ・ロビンだけでなく"魔女"まで捕獲するなんてさすがCP9!!」
「しかしすげェ美人じゃねェか?"魔女"も…」
コソコソと周りの海兵がこちらを見て言っている言葉が耳に入り、本当に恥ずかしいのだ
下ろして欲しいという願いは叶えられることなく、アリスは抱えられたまま"正門"をくぐることとなった
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