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「――生きてる?オ…本当かそりゃあ!!」
アイスバーグが生きているという話をロビンの口から聞いた時、フランキーは心の底からの安堵を滲ませた驚きの表情を浮かべた
「バカバーグの野郎…そうか、おらァ殺されたと聞かされて…!!よかった…そうか、生きてたか」
2人の間にはアリスの知らない過去と絆があるのだろう
詳しくは知らないし、見た目町のチンピラと絶大な支持を集める市長の間に何があったのかは知らないが――それは、2人が知っていればいい"事実"だ
『私達もさっきウソ……じゃなくてそげキングから聞いただけだから、絶対の確証はないけど…ガセじゃないと思うわ』
「でもCP9は殺したつもりだと思うから……黙っておいた方がいいわよ」
「……そういうの、親切って言うんじゃねェの?」
呆れたようなその言葉に、ロビンは何も答えない
「………しかしまァ"兵器"の設計図を持つ俺と、存在する"兵器"を呼び起こせるニコ・ロビンと…これで政府はまんまと"古代兵器復活"への二つの鍵を手に入れたってわけか」
フランキーの言葉にアリスは目を瞬かせる
『あら、あなた本当に"古代兵器"の設計図を持っているの?』
「はァ!?だから俺はここにいるんだろうが!」
『そんな怒鳴らなくても……私、殆ど何も知らないのにここにいるんだから…』
拉致され気絶してしまい、気づいたらこの海列車なのだ
『……まぁ、この一連の騒動に無関係かって言われたらそれは違うんだろうけど…』
「んァ?どう意味だそりゃ」
『……あぁそっか、世間一般的に私の"素性"は隠されてるんだっけ…』
何も知らないといった様子のフランキーを見て、しばらくして納得したように一人頷くアリス
つけられた異名、"魔女"の意味を詳しく知る人間はそう多くない
ただ悪魔の実を口にした女の能力者、という理由ではないのだが――その事実を知ってしまえば、それは"罪"にすらなってしまう
『――ロビンとは昔の顔なじみだからね。全く無関係っていうわけじゃないでしょう?』
「なんだ、そういう意味か」
誤魔化すように説明すればあっさりと納得してくれたフランキー
ロビンからは強い視線を感じるが――ここであっさり"嘘"をばらまくほど彼女は愚かではない
――私、考古学者になりたいの。博士たちみたいな、立派ですごい考古学者に!
――……夢、叶うといいね
『……』
懐かしいその想い出に、アリスは小さく目を細めた
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