紅の魔女 | ナノ




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「わかったかニコ・ロビン…お前らの狙った"設計図"は、ニセ物だ」


「…」


「俺は例え殺されても設計図は政府には渡さねェ!――なのに一方でお前が"歴史の本文"をかぎ回り政府にも力を貸すってんなら、俺はお前をここで止めなきゃならねェ!!」


「――何も私は兵器復活の為に"歴史の本文"を求めているわけじゃないわ!ただ歴史を知りたくて、」


「そんな言い分に意味はない!!人を傷つけるものに必ずしも悪意があるとは限らない!歴史を知りたい、ただの興味が世界を滅ぼす結果を招くなら、今お前はここで死ぬべきだ!ニコ・ロビン!!"オハラの悪魔達"の運命を目のあたりにして、まだ歴史を追いかけてェのか!!」


「あなたがオハラの何を知っているのよ!!世界政府の手で…私の人生がどれ程狂わされたのかも知らないで!!」


「…!?それ程嫌い政府に、じゃあなぜ加担する!!」


「…全てを捨てても叶えたい"願い"があるからよ。この町でCP9が私に突き付けてきた条件は2つ。暗殺の罪を麦わらの一味にきせること…その後政府に身を預け、従う事」


「そうなればお前の命もないぞ!20年逃げのびた女が何故そんな条件をのむ」


「CP9は麦わらの一味に対し、たった一度の"バスターコール"の発動を許可されていたの。条件をのまなければ私達に"バスターコール"がかかる――私が今まで20年どんな状況でも逃げのびて来れたのは、守るものがなかったから…人を裏切り、盾にできたから―――でも、もう今の私には本当にそれができない…!」


「…」


「一度捨てた命も…失った心も、途絶えた夢もみんな掬いあげてくれる。こんな私を信じてくれる仲間ができた…」


「…じゃあお前の"願い"ってのは…!」


「――私を除く"麦わらの一味"の6人が……いえ、"7人"が、無事にこの島を出航すること」


「7人…!?」


「"魔女"――いえ、アリスだって今はもう麦わらの一味のはず。数に入れて問題はないはずよ」


「そのためなら兵器を呼び起こし、世界がどうなろうと構わねェってのか!?」


「構わない」










「――俺は引き金を引けなかった。事もあろうに全世界に生きる全ての人間の命より、あの女はお前達7人の命を選んだ」


全てを話し終えたアイスバーグ

それを聞き終え、ナミは先程よりも明るくなった顔色でアイスバーグに礼を言う


「早くみんなを集めて知らせなきゃ!ありがとアイスバーグさん!」


「待て!麦わら達もやられちまって今更何をしようってんだ!!」


「今更ですって?今からよ!ルフィ達ならあれぐらいじゃやられない!これからロビンとアリスを奪い返すのよ!!」


迷いがなくなった自身の仲間は強いとナミは自信を持って言う

まだ気を失っているチョッパーを叩き起こし、ナミはどこかへ飛んでいった2人を探すために行動を始めたのだった

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