紅の魔女 | ナノ




65



「ルフィ!ゾロ!アリス…!!」


麦わらの一味の主力とも言える2人と、高額の賞金首のアリスがあっという間に押さえられてしまい、思わずナミが震える声で呟く


「何なの…!?あいつらの強さ……」


それに答えたのは、ルッチの自信に満ちた静かな声だった


「環境が違う…!我々"CP9"は物心ついた頃より、政府の為に命を使う覚悟と"人体の限界"を超えるための訓練を受けてきた……」


その"人体の限界"の先に得たのは超人的体技、"六式"


「よく身にしみたハズだ。世界政府の重要任務を任される我々4人と……たかが一海賊団のお前達との、ケタ違いの戦闘力の差が…!!」


『……っ、はな…し、て……!!』


「無駄な抵抗はよさんか。今ここでお主を離してもその手錠の鍵がなければ同じことじゃろう」


アリスを抱きかかえているカクから呆れた声がかけられる

確かにこの手錠を無理やり引きちぎるのはほぼ不可能だろう

海楼石で作られたのだから尚更だ

悔しげに唇を噛みしめたアリスを助けるため、ルフィとゾロは傷を負いながらも何とか立ちあがろうとする


「――"魔女"の一件も含め、これは世界的機密事項。お前達ごときが手を触れていいヤマではない!!」


仕掛けた発火装置の爆破時間が近づき、カリファらは立ち去ろうとするもルッチはふと気まぐれを起こしルフィらを振り返る


「――せっかくだ。最期に面白いものを見せようか…」


その言葉の後、ルッチの体はみるみる巨大化していき、皆驚いてその変化を見ていた

爆発が始まったのか、あちこちから火が出ていると騒ぐ船大工の声がかすかに聞こえてくる

ルッチの変わった姿を見て、チョッパーは怯えて叫んでいる


「ルッチ…てめェは一体……!!」


「"悪魔の実"…!!」


「何の実だ!?」


人間時の何倍もの大きなに膨れ上がったルッチは、自身が口にした実の名前を告げた


「"ネコネコの実"……モデル"豹(レオパルド)"」


人獣型となったその姿

"肉食"の動物系だからなのか、人間の時よりも目に凶暴性が色濃く映し出されている気さえする

アリスもまた、その異様な姿に僅かに目を見開いていた

――自由に動くことができないこの体が憎らしい…

しばらく時間をおけば多少、動くことぐらいならできるようになるが……今は絶対に無理だからただ見ていることしかできないのだ

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