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「ロビン!!やっと見つけたぞ―――!!」
「おいルフィ!てめェ一体どこに居やがったんだ!!」
ルフィがいなかったせいで余計な苦労をすることになったゾロが怒鳴っている
部屋の中は酷い有様だった
部屋の中心にいたのは、床に倒れて血を流しているアイスバーグ、彼を見下ろす5人の人間――
ロビンは当然ながら、他の4人も見覚えのある人たちだった
「ロビーン!また会えてよかったぞ――っ!」
「……!?ちょっと待って、何この状況!」
チョッパーは素直にロビンに会えたことに喜んでいるが、ナミがこの状況の異常さに気づく
ルフィと一緒に現れた、傷だらけのパウリーも同じだった
「やれやれ…」
邪魔が入った、とばかりのため息をついたのは、確かにルッチだ
いつもハトを使った腹話術でしか喋らなかったというのに……雰囲気も全く違う
「何なんですか…!!」
目の前に落ちている覆面を凝視し、パウリーは絶望が色濃い声色で叫ぶ
「まるでこいつらが……アイスバーグさんの命を狙った犯人みてェに……!!お前ら何でそんな格好してんだ…」
カリファ、ブルーノ、カク、ルッチ
名前を呼ばれても、彼らは表情一つ変えない
暗殺者が、こんな内部にいたとは……だれも想像だにしていなかっただろう
「パウリー……実は俺達は政府の諜報部員だ。まァ謝ったら許してくれるよな…?共に日々船造りに明け暮れた仲間だ、俺達は。突然で信じられねェならアイスバーグの顔でも、踏んで見せようか…!!」
政府の、諜報部員
その言葉に顔色を変えたのはアリスだ
今まで逃げ続けていたというのに……今ここで見つかってしまうとは…
『……マズイ』
小さな呟きと共に、手が無意識に"紅"にのびる
視界ではパウリーがルッチに簡単にのされてしまう姿が見えた
1本の指でパウリーの体を貫いた、その体技――それは見覚えのあるものだ
"六式"――これを極めればその身一つで百人力に値する
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