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「――安心しろ」
そして場所は変わる
「峰打ちだ…」
『…まぁ、そうかもしれないけど…』
大量に倒れている船大工達を背中に、達成感に満ちあふれた表情で自身の抜き身の刀を握るゾロと、それを呆れたように見ているアリス
確かに転がっている船大工達は皆息はあるのだが……中には致命傷ギリギリの傷を負っている人だっている
本当の峰打ち……鞘にいれたままの刀で的確に急所のみを狙って片付けたアリスはただ苦笑するしかない
だがこれで道が開けた
「さっさと行くわよ!!」
ゾロとアリスが片付けている間はチョッパーと共に隅で隠れていたナミはさっさと階段を上がっていく
「ゾロ、アリス、こっちだぞ!」
「あぁ」
『えぇ』
チョッパーの言葉に返事をし、その背中を追いかけるために走り出したのだが……隣にいたはずのゾロが消えていた
あれ、と後ろを振り返れば――なんと、全く違う場所へと走っていくゾロの姿が見えた
「いや、こっちだって!!」
「先導してるのにどうやって間違ったの、今!?奇跡!?」
『方向音痴っていうレベルじゃないわね…』
慌ててゾロを引き留めるナミとチョッパー
その後も幾度も間違った道を自信満々に走っていこうとするゾロを正しい道へと誘導させながら階段を駆け上っていく
階段を駆け上り、追ってくる船大工を適当に片づけ、廊下を走り抜ける
「――あそこ!あの正面の扉で間違いないわ!!」
目的地――アイスバーグの私室らしき部屋を見つけた
多くの人間が倒れており、もう"暗殺者"は中にいると確信する
「さァゾロ!前行きなさい前!扉斬って突進よ!!」
「俺に命令すんな!!」
後ろから命令されて怒鳴るも素直にゾロは刀を握り、扉を切り裂いた
突入した室内には――よく見知った顔が揃っていた
「ロビンはどこだ―――!!」
そこにはちょうど隣の部屋から壁を壊して突入してきたルフィもいて――…当然、ロビンもその場にいた
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