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日が暮れ始め、次第に風も強くなっていく
アイスバーグのいる屋敷――ガレーラカンパニーの本社は厳重すぎる警備っぷりだ
船大工がいない場所なんてないのではないか、と思えるぐらいに多くの人間がただ一人を守るためにそこにいた
アイスバーグのいる寝室の前には、職長5人がいて万全の警備体勢だ
そんな本社から少し離れた、木の上の麦わらの一味はいた
「凄い数の護衛だ…!」
「ちょっと遠いぞ!」
「腕伸ばして飛んでけばいいでしょ!騒ぎが起こってからね」
「そうだな。こっちが先に騒ぎを起こしちゃそれを利用されるだけだ」
『どう?チョッパー。何か動きあったかしら?』
「うぅん…でもみんな武器持ってて強そうだ!!」
「……そりゃそうでしょ。海賊だってねじ伏せちゃうのよ、ここの船大工たちは」
「夜は長ェが気を抜くなよ…今夜のチャンスを逃したら何のわけもわからねェままお別れだ。もう二度とロビンを追うアテはねェと思え…!」
その言葉に、皆決意を新たに"その時"を待った
≪プルルルルル……ガチャ…≫
少し離れた場所
≪準備はいいですか?≫
ある人物の手のひらの乗っている子電伝虫から声が伝わっている
「いいな、ニコ・ロビン」
「えぇ…いつでも」
被り物をして顔を隠している大男と、目元だけ隠しているロビンがそこには立っていた
≪――では私がかく乱させますので…他4名は合図の後それぞれ任務を実行してください≫
その言葉の数秒後――本社に大きな爆発が起こった
その分かりやすい合図に、ロビンらは"任務"実行のために動き始めた
――長い長い夜の、始まりだった
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