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行きが突然なら、戻りもまた突然だった
時間にして僅か10分程度、それぐらい短い時間が経過した後ルフィは戻ってきた
しかし、その顔色は決して明るくはない
「……もしかして、話せたの?アイスバーグさんと」
「本当に、ロビンを見たって…」
直接言われたのなら、それはもう間違いなく事実なのだろう
確かにロビンは、昨夜アイスバーグ暗殺未遂の場にいたということ……
『ロビンが…』
「そんな……どうしてロビンがそんな事…」
しかし、ルフィの表情は決して沈んでいるものではなかった
真っ直ぐ前を見つめ、決意に満ちた表情で彼は断言した
「俺は信じねェ!!」
ハッキリと、ルフィはその言葉を口にした
状況が不透明な今、早く他の仲間と合流した方がいいと、3人は場所を移動するために駆けだした
――場所は変わり、ウォーターセブン裏町、空き倉庫
「昨日やるべき事に関しては上出来だ」
「わけないわ」
「――当然お前も町中から追われる身になったがな、ニコ・ロビン」
ずっと姿を消していたロビンが、男と話していた
「だが一時的なもんだ。大切なのは今夜…!もう一度アイスバーグの屋敷へ入る。最悪の事態には全ての証拠を消しても構わん。元々"それ"を持っていた"トム"という人物の弟子のうち、現在生きているのはアイスバーグ一人……」
ロビンが見ていた新聞に、今追われている麦わらの一味の写真が映っていた
その写真――険しい表情の、まだ幼い隻眼の赤髪の少女の写真を見て、ロビンの目が一瞬見開かれた
だが、その僅かな変化は男たちには気づかれなかった
「どこまでシラをきろうとも、"CP7"の名のもとに必ず今夜奪い取る。これは正義の任務だと心得ておけ…」
男の言葉に視線をあげた時には、ロビンの表情には何も浮かんでいなかった
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