紅の魔女 | ナノ




51


行きが突然なら、戻りもまた突然だった

時間にして僅か10分程度、それぐらい短い時間が経過した後ルフィは戻ってきた

しかし、その顔色は決して明るくはない


「……もしかして、話せたの?アイスバーグさんと」


「本当に、ロビンを見たって…」


直接言われたのなら、それはもう間違いなく事実なのだろう

確かにロビンは、昨夜アイスバーグ暗殺未遂の場にいたということ……


『ロビンが…』


「そんな……どうしてロビンがそんな事…」


しかし、ルフィの表情は決して沈んでいるものではなかった

真っ直ぐ前を見つめ、決意に満ちた表情で彼は断言した


「俺は信じねェ!!」


ハッキリと、ルフィはその言葉を口にした

状況が不透明な今、早く他の仲間と合流した方がいいと、3人は場所を移動するために駆けだした















――場所は変わり、ウォーターセブン裏町、空き倉庫


「昨日やるべき事に関しては上出来だ」


「わけないわ」


「――当然お前も町中から追われる身になったがな、ニコ・ロビン」


ずっと姿を消していたロビンが、男と話していた


「だが一時的なもんだ。大切なのは今夜…!もう一度アイスバーグの屋敷へ入る。最悪の事態には全ての証拠を消しても構わん。元々"それ"を持っていた"トム"という人物の弟子のうち、現在生きているのはアイスバーグ一人……」


ロビンが見ていた新聞に、今追われている麦わらの一味の写真が映っていた

その写真――険しい表情の、まだ幼い隻眼の赤髪の少女の写真を見て、ロビンの目が一瞬見開かれた

だが、その僅かな変化は男たちには気づかれなかった


「どこまでシラをきろうとも、"CP7"の名のもとに必ず今夜奪い取る。これは正義の任務だと心得ておけ…」


男の言葉に視線をあげた時には、ロビンの表情には何も浮かんでいなかった

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