紅の魔女 | ナノ




50 敵か、味方か





今までの道のりを振り返れば、そこはデコボコと舗装されていないあぜ道だろう

特殊な環境で生まれ、特殊な環境で育ち、そして生きてきた私

多くの大事な人を失い、そして多くの大事な人と出会った

その大事な人、というカテゴリーにはもちろんニコ・ロビンの名前もある

だから、何が起こっているのか全然分からなけど――1人で、抱え込まないで……――










敵か、味方か










「やばい?…何がやばいんだ」


「この島の地形と気候よ。これだけ風が吹いて気圧が落ちてくれば今夜、島を台風が通るかも知れない」


『…"水の都"も、裏を見れば水害の被害を受けやすいというデメリットもある、ってわけね…』


今、アリスたちはある建物の上に座っていた


「それよりアレがそうよ。下見て!記者みたいな人たちが押しかけてる」


『1番ドックに繋がってるし…あの騒ぎようからして、アイスバーグさんはあの屋敷にいると見て間違いないわ』


多くの人が行き来しており、その様子から見ても目の前にあるこの建物がアイスバーグの居場所だろう

ルフィが彼にロビンを見たと言う言葉の真意を問いに行くという言葉に従い、ここまで来たのだが…この人ごみの中飛び込むのは決して得策ではない


「言っておくけど私達も島中から追われてる身だって事忘れないでね。ちゃんとどこがアイスバーグさんの部屋か見当をつけて、うまくスキをついて慎重に…」


ナミの至極当然の言葉を全く聞き入れることなく、ルフィは腕をぐんぐんと伸ばしていた


「じゃ、行ってくる」


そんな軽い言葉と同時に……ルフィは、真っ直ぐ真正面から屋敷の中へと突入していった

アリスが止める隙なんてなかった

途端大騒ぎになった屋敷を見て、呆然と座り込んでいるナミの肩をポン、と軽くたたいた


『…まぁ、ルフィだし…ね?』


フォローになってないフォローの言葉を口にし、2人は大人しくルフィが戻ってくるのを待つ他なかった

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