紅の魔女 | ナノ




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アリスたち3人が去った後の1番ドック


「あいつら逃げたわいな。追わなくても?」


「あァ。今の"風来砲"で燃料切れだ。見ろ、このリーゼント」


自分達が壊したクレーンの上に乗り、ルフィたちが逃げた方向を見るフランキー

自慢のリーゼントは何故か垂れ下っている


「とんだ邪魔が入っちまったからな…補給が済んだら次こそ消してやるさ。ウハハハ…さすがは1億の首…なかなか骨がある」


楽しげに笑ったフランキーは静かに闘志を燃やす















「…やってくれるわい、フランキー…」


「なんて日だ今日は…」


その下で、職長たちはゆっくりと立ちあがっていた

皆特に怪我を負っている様子はない


「とにかくあいつらを逃がすわけにはいかねェ…今夜は"アクア・ラグナ"。今日あと2本出る海列車を除いてあいつらが島を出る術はねェ」


ルフィたちがここまで乗ってきた船はもう使えないと判断したのは彼ら職人だ


「情報を集めるんだ…」


意気込むパウリーの頬を、いつもより強い風が通り抜けていった

モンキー・D・ルフィ、ロロノア・ゾロ、ニコ・ロビン、そしてアリス――…

顔の分かるこの4人を捕まえれば、もう一味を包囲したのと同じ意味だ

皆高額な額の賞金をつけられており、中でも"紅の魔女"の賞金額は異常だ

先程の小競り合い、加勢こそしなかったがいつでも戦える状態でいたことをパウリーは気づいていた

例えどれだけの賞金額をつけられていようが、アイスバーグを殺そうとした暗殺者の一味なのは間違いない


「ガレーラの職人を全員島中に張りめぐらせて、日没までに決着をつけるぞ!!」


その言葉に、皆頷く

――風が、強く吹き荒れた

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