48
フランキーは完全に頭にきたようで、何やら両手を前に突き出すポーズをとった
何のことか分かっていないパウリーたちだったが、町の人間は悲鳴をあげている
聞けば"コレ"で巨大なクレーンを倒したらしい
「クレーンを…?大砲か?」
「なァに、砲弾なんざ飛ばさねェよ。飛んでくのは…"空気の弾"。ただし速度は風の領域を超える」
フランキの腕が、人間ではあり得ない大きさに膨らむ
凄まじい"圧力"に、パウリーの表情が変わるももう遅い
「"風来砲(クー・ド・ヴァン)"!!」
フランキーの両腕から出されたのは、凄まじい風の塊
それはいとも簡単に1番ドックを大きく破壊した
職長たちは吹き飛ばされ、逃げきれなかった町の人間も何人か宙を舞っている
巨大なクレーンが崩れおち、造りかけのガリオンごと1番ドックが崩壊した
幸いにしてアリスたちがいる場所はその影響は少なく、何事もなくその場でその光景を眺めていた
「"改造人間"なんて…どこにそんな技術が…!何なの、アイツ!!」
『でもお陰で拘束が解かれたのだからラッキーよね』
「あ、確かに」
実力行使に移らずに済み、無駄な労働をしなくて済んだと肩をなでおろす
周りは凄まじい混乱状態に陥っており、皆が皆逃げ回っている
「ナミ!アリス!走れ!!」
その混乱の隙をすり抜け、ルフィが駆け寄ってきた
多少の傷は見えるがどれも軽傷だから心配はいらないだろう
『大丈夫だったみたいね』
「俺があれくらいでやられるか!とにかく意味が分からねェ…何とかアイスのおっさんとこ行こう!!」
「えェ!?行くの!?無理よ、この騒ぎの中っ!」
確かに普通なら無理だが、逆に混乱に乗じて…という手も残っている
何にしろ、アイスバーグが見たと言うロビンの姿……それが事実か確かめなければ先に進めない
「しっかり掴まってろ!!」
『きゃっ』
「わっ!待って」
突然ルフィに抱きかかえられ、同じくナミを掴んでルフィは腕を伸ばしてその場から逃げ出すことに取りあえず成功した
.
[ 49/145 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]