46
「そうだ……俺達は無法者だ。わかってるよ!!だけどな…」
暗い暗い深みに落ちていきそうになった思考を押しとどめたのはルフィの声だった
「お前らロビンを知らねェくせに、勝手なこと言うなァ!!」
『…ルフィ、』
「アイスのおっさんに会わせてくれ!見間違いだそんなの!ロビンなわけねェ!!」
そんなルフィの言葉に頷くわけもなく、ますます状況は悪くなっていく
「そうだ!犯人達を縛りあげろ!」
「この町の英雄を殺そうとした奴らだ!首切ったって構わねェ!!」
民衆の口から物騒な言葉が飛び出す
それだけ、この町にとってアイスバーグという男の影響力が大きいということ
民衆の矛先は、ルフィだけでなくナミとアリスにまで及ぶ
ガシッ
「きゃ!何!?」
『、っ』
突然後ろから羽交い締めにされ、身動きがとれなくなる
「おいお前ら麦わらのあいつとさっき一緒にいたのを見たぞ」
「お前らも仲間だな!!」
暴徒一歩手前のような民衆に囲まれ、どう反撃すればいいのか迷い、アリスはされるがままだ
ここで彼らを殺すことは簡単だし、半殺しだって別に苦にならない。だが、ここで彼らを傷つけてしまえばもっと状況は悪化の一途を辿るであろうことは容易に想像できた
武器を持ち出されたら反撃もできるが、民衆はただ自分達を捕えているだけ……
「ナミ!アリス!!」
後ろで捕らえられている仲間の姿を見て動揺するルフィ
「観念しろ!情報はすぐ町中に広がる。逃げ場はねェぞ…一味全員、俺達が仕留めてやる!!」
恐らく新聞で賞金首3人の顔写真が公表されているはず……いや、自分をいれて4人、か
もうこうなっては麦わらの一味ではないと言うつもりはない
とことん、最後まで付き合おうではないか
『……この手、離してもらえるかしら?』
取りあえず、この気分の悪い手を離してもらうことからしようか
.
[ 47/145 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]