紅の魔女 | ナノ




45


フランキーはタイルストンの怪力とカクの人間離れした身軽さのコラボレーションを前に一時戦線を強制離脱

ルフィもルッチとぶつかり合い、結果押し負けて思いっきり吹きとばされた

"職長"と名乗るだけあり、その戦闘能力はその辺りの海賊程度なら簡単に倒すことができるだろう


「くそォ――!!何なんだ、理由くらい言えェ!!」


理不尽に攻撃を受け続けたルフィは怒りの叫びをあげる

そんなルフィにパウリーらは詰め寄る


「理由を知りてェのは俺達の方だ…!!」


「…?」


「昨夜本社に侵入してアイスバーグさんを襲撃した犯人は、お前らだろうが!!!」


パウリーがハッキリと口にした言葉――それは自分達にとっては全く寝耳に水だった

戦いを観戦していた周囲から、どよめきが走る


「な…何それ」


『……やっぱり…』


「ばか言え!!何で俺達がそんな事するんだ!!」


言葉を失うナミ、思った通りの展開になってため息をつくアリス、そして冗談ではないと怒鳴るルフィ

三者三様の反応を示す麦わらの海賊団に、パウリーはさらに言葉を重ねる


「"犯人"を2人憶えていると、目を覚ましたアイスバーグさんが証言したんだ。政府に聞きゃあお前らの仲間だと言うじゃねェか……"ニコ・ロビン"って賞金首はよ!!」


ここに来てから一度も顔を見てない、麦わらの一味であるニコ・ロビン

その名前は、驚愕の表情を浮かべている3人の耳に届く


「もともとアイスバーグさんの命を狙ってこの島に来たのか、昨日お前らが彼に会った後そんな気を起こしたのか……海賊の考える事なんざわからねェがな、犯人とわかってお前らを野放しにゃあしねェ……!!」


カクが投げた鋸が、ルフィの頬をかする


「"生死問わず(デット オア アライブ)"……指名手配の意味が分かるか?お前達海賊は誰に何をされても文句は言えん。世界の"法"はお前達を守らんという事じゃ」


大多数の海賊は"生死問わず"で指名手配されているが、"紅の魔女"アリスだけは異例中の異例、"生のみ(アライブ オンリー)"である

それは、政府が"生け捕り"を望んでおり、その価値がこの首にはるということ………"生き残り"を、奴らは見逃さない


『………』


ギリ、と"紅"を持つ手に力がこめられた

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