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「昨日の船大工の人達…!こりゃこっちの味方ね!」
ナミは頼もしい援軍が現れたと顔を明るくさせる
街の人達も彼らが現れたことによってルフィとフランキーの戦闘は終息したと安堵している
『……』
そんな空気の中、アリスは一人いつでも戦えるように、そっと刀に手をすべらせた
「オーオー、ガレーラの兄ちゃん達。人のケンカに首突っ込んでくれたら困るじゃない。ケガしてェのか?」
邪魔するなとばかりの声色で言葉を言い放つフランキー
それにカクが律儀に応える
「よくそんな口がきけるもんじゃ。ウチの工場をこれだけ荒らされれば理由がなくても止めにくるわい」
理由がなくても――つまり、このケンカの場に現れたのは、ただそれを止めにきたわけではないということ
大きな声で文句を言っている、タイルストンという男の言葉をパウリーは止める
「ちょっと待てタイルストン。その話は後でカタをつけよう。今はもっと重要な用事があるハズだぜ……なァ"麦わらのルフィ"」
怒りで顔を険しいパウリーらを見て、ルフィは戸惑いを隠せない
「身に覚えがあるだろう…!?よくまたここへ顔を出せたもんだ」
「……?……何で?俺達おっさんのニュース聞いて…」
あくまで何も身に覚えの全くないルフィは首を傾げるしかない
だが、職長たちの空気は段々刺々しくなっていき……突然、戦闘が始まった
「とぼけるんなら……締めあげるまでだっ!!」
パウリーの服の裾からロープが飛び出し、それはルフィの首を締めあげる
一度見たことがあるが、相変わらず見事なロープさばきだといえた……状況が状況じゃなかったら、なら
他の職長たちもそれぞれの武器を構え、いつでも戦える体勢を整えていた
一体自分達が何をしたというのだろうか……ここまで目の敵にされるなんて
「え??何で??何で船大工もみんな敵なの!?」
『ナミ……気を付けて』
「アリス?」
『私達、何か大きな陰謀に巻き込まれた可能性が高いわよ』
物騒な言葉を真剣な表情で語るアリスを見て、ナミの顔が驚きに染まる
そして、彼らがここまで激昂する理由――――それは、今このタイミングでは一つしか思い浮かばない
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