紅の魔女 | ナノ




36


煙がなくなったそこには、傷だらけの状態で地面に背を預けているルフィの姿が見えた

だがすぐに立ちあがり、決闘は続行される

火薬玉による爆発を転がりながら受け流し、ルフィの拳が初めてウソップをとらえる


「ゴムゴムの…銃!」


「ぶはっ!」


体勢を崩したウソップに畳みかけるように近くに駆け寄る


「バズーカ……」


確かにだされたその打撃は、しかしウソップの手の中に吸収されてしまう

"衝撃貝"だ


「貰ったぞ…お前の衝撃」


そしてそれは本人へと返される

強烈な衝撃を受けルフィの体がのけぞるが、ウソップも腕に伝わったそれに苦痛の声をあげた


「……!ハァ…!どうだ畜生ォォ!!」


渾身の攻撃

だがそれにルフィは耐えた

倒れることなく地に足をつけ、ウソップの前に立つ


「ゴムゴムの……銃弾!!」


これが、決定打だった

倒れたまま起き上がらないウソップに、ルフィは痛む拳を握りしめる


「バカ野郎…!お前が俺に!勝てるわけねェだろうが!!」


「………」


「…メリー号はお前の好きにしろよ。新しい船を手に入れて…この先の海へ、俺達は進む!!」


麦わら帽子をかぶりながら、船長は前へと進む


「じゃあな……ウソップ。今まで…楽しかった」


それは、別れの言葉

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