紅の魔女 | ナノ




35



「約束の10時だ。ウソップが来るぞ」


皆船の上から、彼が来るのをただ待っている

指名を受けたルフィだけは、船を降りていた

アリスは皆から少しだけ離れた場所から眺めている


「…来た!」


ナミの言葉とともに、ウソップがルフィの前に現れた


「怖気づかずに来たな…どんな目にあっても後悔するな!お前が望んだ決闘だ!!」


「当たり前だ。殺す気で来いよ…返り討ちにしてやる!もうお前を倒す算段はつけてきた!!」


何も知らない"敵"が相手ではなく昨日まで確かに"仲間"だった相手との戦闘だ。戦略という点から言えば戦いにくい相手なのは間違いない

そうして始まった、彼らの決闘


「俺には!8千人の部下がいる!命が惜しけりゃ今すぐ降参しろォ!!」


まずはウソップの"嘘"から始まり、言葉での地味な攻撃を向けてくる

それに付き合うことなく、ルフィが拳を向けようとするが……その直前、ウソップが血を吐き、その場に膝をついてしまった

その姿に一瞬躊躇ってしまうルフィ


「必殺、ケチャップ星」


だがそれはフェイクであり、閃光貝を使ってルフィを遠ざける

そして腐った卵をパチンコで撃つ……流れはウソップにあると言っていいだろう


「くそっ!この野郎、マジメにやれェ!!」


「ばかばかしいか!?大マジだぞルフィ…!これが!俺の戦闘だ!!」


ウソップ本人にはそれ程大きな力はないが、小道具を上手く使い、十分戦えている

タバスコを口に含まされ、その辛さのあまり口から火をふくルフィ

のたうちまわる彼の周りには既にまきびしが敷きつめられている

次から次へと攻撃を加えられ、まだウソップに攻撃を与えることができていないルフィ

そして自身にかけられた腐った卵のせいで、周りに充満しているガスに気づくのが遅れ……"火薬星"によって巨大な爆発が巻き起こった


『きゃ…っ』


それは船の上のアリスらも例外ではなく、大きく波も揺れて小さく悲鳴をもらした

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