紅の魔女 | ナノ




33



「サンジ!!」


「ルフィてめェ今何言おうとしたんだ!!頭冷やせ!滅多な事口にするもんじゃねェぞ!!」


サンジに怒鳴られ、ルフィは今自分が口にしようとした言葉の意味を悟り、謝るもウソップには通じない


「"使えねェ仲間"は…次々に切り捨てて進めばいい…!この船に見切りをつけるんなら…俺にもそうしろよ!!」


「おいウソップ!下らねェ事言ってんじゃねェぞ!!」


「いや本気だ!…前々から考えてた…正直俺はもうお前らの化け物じみた強さにはついて行けねェと思ってた!!今日みてェにただの金の番すらろくにできねェ。この先もまたおめェらに迷惑かけるだけだ俺は…!弱ェ仲間はいらねェんだろ!!」


誰も口を挟めない


「ルフィ、お前は海賊王になる男だもんな。俺は何もそこまで"高み"へ行けなくていい…!――思えば俺が海に出ようとした時に…お前らが船に誘ってくれた。それだけの縁だ……!意見がくい違ってまで一緒に旅をすることはねェよ!!」


それだけ言うと、ウソップは部屋から出て行く

止めようとする声に背を向け、船から降りる


「俺は、この一味をやめる」


静かに、その言葉を口にしたウソップ

ナミとサンジは引き留めようと声を荒げ、チョッパーは泣きながら叫んでいる

ゾロは終始無言を貫いており、アリスもまた無言でウソップの後ろ姿を見送っていた


「お前とはもう…やっていけねェ。最後まで迷惑かけたな。この船は確かに船長であるお前のもんだ…だから俺と戦え!俺が勝ったらメリー号は貰っていく!」


その言葉に、ルフィの表情が変わる


「モンキー・D・ルフィ……!」


「……」


「俺と決闘しろォ!!!」


それはもう取り返すことのできない言葉

誰も止めることはできない、止めてはいけない決闘


『………決闘、か』


去っていくウソップの背中を見ながら、小さく呟いた

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