紅の魔女 | ナノ




26


案の定大怪我を負って意識のない状態のウソップは船につくなり部屋へと連れて行かれ、治療を行うチョッパー以外の人間は自然とナミとアリスがいる場所に集まることになる


「お前、あの場所にいた……」


ゾロが警戒した様子でアリスを見る

少しでも妙な真似をしたら即斬るという雰囲気を隠すことはない

しかしその威嚇を気にした様子もなく、穏やかな笑みを浮かべるアリス


『"海賊狩りのゾロ"、よね。手配書で見かけたことあるわ』


「……名を名乗れ」


あっさりと威嚇をいなされ、ゾロはタダ者ではないと悟り名を聞く

そんなゾロの態度とは反対に、サンジの目はハートマークになっていた


「あぁ素敵なレディ!あなたの可憐な名前を教えて頂けますでしょうか?」


クルクルクルと回った後、膝をつきまるで騎士のように胸に手をあてて真正面の彼女に名前を問いかける


『ふふ…面白い人ね。私の名前はアリスよ。宜しくね、皆さん』


クスリと笑みを浮かべ、丁寧に頭を下げたアリス

その姿を見て、ルフィはにひひと笑う


「そんでもって俺らの仲間になる人だからな」


『ちょっとちょっと!まだ決まったわけじゃ…』


まるで決定事項のように宣言したルフィに呆れたように否定するアリス


「一度ルフィに喰いつかれたら二度と離してくれないわよ。諦めなさいアリス」


『えぇっ。ナミまでそんなこと言っちゃうの…』


困ったように首を傾げる

その際に鮮やかな紅色の髪がサラリと揺れる


「アリス……あの、"魔女"か?」


ゾロの目が先程とは違う色に染まる


「"紅の魔女"――お前も刀を扱うと聞いている。どれほどのものか……勝負願おうか」


言葉と同時に自身の刀を抜くゾロの目に宿っているのは、純粋な闘争心

船長であるルフィが仲間にすると言ったならばもう殆ど仲間になったようなものだ

世界的に有名な"魔女"相手に戦えるなんて、そう滅多にある機会ではない

闘争心溢れるゾロの瞳を見て、逃げられないと悟ったアリスは面倒くさそうにため息をつく


――――そして2人同時に船から飛び降り、陸地に足を付けたのと同時に相手に踏み込んだ


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