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船に近寄ると、ナミが一人で1億ベリーが入ったケースを守っているのが見えた
『ナミ』
「え!?アリス!?」
反射的に銃を向けたが、その人物が彼女だと知ると安堵の息を漏らして銃を下ろす
『ナミが呼んだ増援…あのトナカイくんたちに任せてきたわ』
「そう……っていうか任せてきた?」
微妙に気になる言葉にナミが首を傾げる
『えぇ…一人で"フランキーハウス"に向かったウソップを助けに、ね』
かぶっていたフードを脱ぎながら、何てことないかのように説明するアリス
だがナミは表情を一変させて彼女に詰め寄る
「待って、一人でってどういうこと!?アリスがウソップを見張ってたんじゃないの!?」
『見張ってはいたわよ?だけど彼がどうしても行くと言ったから、私は少しだけ力を貸してあげた』
「あんな状態のウソップを一人で行かしたってこと……!!?」
信じられないとばかりに頭を抱えるナミ
だけどアリスは表情を変えることはない
『ウソップだって男よ?あそこで私が止めていても彼は納得しないし、彼の気持ちを殺すことになる……安心して。死なないようにはしておいたし…ルフィたちが助けるでしょう』
傷はこの身に引き受けたし、ウソップが一人で行ってからルフィたちが追いかけるまではあまりタイムロスはない。最悪の事態にはならない
"偉大なる航路"を渡ってきたのなら、まず死ぬことはないはず
『だから私達はここで待ってましょう?大丈夫、すぐに彼らは戻ってくるわ』
安心させるように笑えば、ナミもつられるように小さくだが表情を緩ませる
「アリスが言うのなら大丈夫なんでしょうね…なんたって"紅の魔女"が言ってるんだもの」
『ふふっ…そうよ。この私が言ってるんだもの。信用してちょうだい』
「もう……何だかアリスって私達よりずっと年上みたい」
何だか同年代の人と話しているというよりも"年上のお姉さん"相手に話しているような感覚にナミは小さく笑う
どうみたって20歳前後にしか見えないアリスに、あり得ないわよねと同意を求めるように……
だが、そのナミの気持ちとは裏腹に、あっさりとアリスは衝撃的な発言をした
『あら、鋭いわね。実際私もうすぐ30歳になるし…ナミたちよりもかなり年上なのは確かね』
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