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「ストップ、ストーップ!!」
アリスが倒れてから少したった後、その場に新たな人物がやってきた
ヤガラを止め、不思議そうに辺りを見渡しているのはサンジとチョッパーで、それをゾロが腕組みをして眺めている
「ウソップがいねェ!!ナミさんが言ってたのはこの場所のハズだぞ!!」
「ウソップ――!!」
「確かか?場所間違ってんじゃ…」
「てめェじゃねェんだよ!黙ってろ!!」
声を張り上げるも応える言葉は帰ってこない
「ナミさんが言ってたローブの女性の姿も見えねェじゃねェか…」
ウソップと共にいるとナミが言っていた、ローブの女性の姿も見えない
ふと、面倒くさげに辺りを見渡していたゾロの視界にあるモノが映った
裏道、という言葉がピッタリな一歩奥に入った小さな道に……誰かが倒れている
「おい、チョッパー」
「?どうしたんだ、ゾロ」
「そこに人が…」
そこ、とゾロが指さした方向を見てみると…確かに、人が倒れていた
「本当だ…!ナミが言ってた"ローブを着た女"ってこの人のことじゃない!?」
野暮ったい印象を受けるローブに、僅かに見える細い手や鮮やかな赤髪――確かに、ウソップと一緒にいるとナミが言っていた人物の特徴が一致する
ピクリとも動かないその人物の顔は、フードに隠れてよく見えない
「おい、大丈夫か?」
チョッパーが声をかけ、ゆっくりと体をゆさぶれば、僅かに反応を示す
『―――ん…?』
「良かった、大丈夫か?」
目が覚めたことにチョッパーは安堵のため息をこぼす
しばらく状況が読めずにボーッとしていたが、ようやく頭が回転しだしてアリスは顔をあげる
『……あなたたち、早く追いかけたほうがいいわよ…?彼を…』
真黒な瞳で見つめられ、一瞬チョッパーは言葉につまる
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