紅の魔女 | ナノ




22



「ストップ、ストーップ!!」


アリスが倒れてから少したった後、その場に新たな人物がやってきた

ヤガラを止め、不思議そうに辺りを見渡しているのはサンジとチョッパーで、それをゾロが腕組みをして眺めている


「ウソップがいねェ!!ナミさんが言ってたのはこの場所のハズだぞ!!」


「ウソップ――!!」


「確かか?場所間違ってんじゃ…」


「てめェじゃねェんだよ!黙ってろ!!」


声を張り上げるも応える言葉は帰ってこない


「ナミさんが言ってたローブの女性の姿も見えねェじゃねェか…」


ウソップと共にいるとナミが言っていた、ローブの女性の姿も見えない

ふと、面倒くさげに辺りを見渡していたゾロの視界にあるモノが映った

裏道、という言葉がピッタリな一歩奥に入った小さな道に……誰かが倒れている


「おい、チョッパー」


「?どうしたんだ、ゾロ」


「そこに人が…」


そこ、とゾロが指さした方向を見てみると…確かに、人が倒れていた


「本当だ…!ナミが言ってた"ローブを着た女"ってこの人のことじゃない!?」


野暮ったい印象を受けるローブに、僅かに見える細い手や鮮やかな赤髪――確かに、ウソップと一緒にいるとナミが言っていた人物の特徴が一致する

ピクリとも動かないその人物の顔は、フードに隠れてよく見えない


「おい、大丈夫か?」


チョッパーが声をかけ、ゆっくりと体をゆさぶれば、僅かに反応を示す


『―――ん…?』


「良かった、大丈夫か?」


目が覚めたことにチョッパーは安堵のため息をこぼす

しばらく状況が読めずにボーッとしていたが、ようやく頭が回転しだしてアリスは顔をあげる


『……あなたたち、早く追いかけたほうがいいわよ…?彼を…』


真黒な瞳で見つめられ、一瞬チョッパーは言葉につまる

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