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「それにしても酷いやられ方…きっと動かさない方がいいわ」
ゆっくりとウソップを床に戻し、ナミは立ち上がる
「ウソップ…少しここにいて!私急いで船に戻って加勢を呼んでくる。チョッパーも呼んで手当てして貰うから!!この先にあいつらのアジトがあるらしいからそのまま叩き潰して終わりよ!!」
『…ナミ、私はここで彼を見てるわ』
「本当?ありがとうアリス…ウソップのことお願いね」
持っていたケースを渡し、ここに残ると言えば安心したようにナミは頷く
先程ナミがフランキー一家のアジトの場所を言った時、ウソップが反応を見せたのはきっと気のせいではない
これ以上無理をすれば最悪死んでしまう可能性だってある。ヤソップの息子でルフィの仲間である彼を死なせるわけにはいかない
「ちょっとあんたら!見世物じゃないっつってんでしょ!!?」
まだ集まっていた人たちに去るように脅した後、ナミは勢いよく走り去っていく
その先に悲鳴と、暴走ブルという声が聞こえたから相当のスピードで仲間のもとへと向かって行ったのが分かる
それを見送った後、ウソップを見ればもう動けないはずなのに無理して立ち上がろうとしているのを見てやっぱり、とため息をつく
『あなたのその怪我じゃ立ち上がることはできても歩くことは無理よ』
「…俺らには、あの金が…必要なんだ……!!」
確かに金は大事だ。だがそれ以上に命は大切なものではないのだろうか?
その辺りの赤の他人と大金では金のほうが大事だが、ウソップと金ならウソップのほうが大事だと私は答える程度には大事に思っている
『その怪我でどうするつもり?それだけやられた相手に今の状態で勝てるのかしら?』
「うるせェ……俺は…あの金を……!!」
気持ちは分からないことないが…現実問題彼がフランキー一家に立ち向かっても結果は見えている
何も無駄死にすることはない。今ナミが彼の仲間を連れに戻っているし、それを待てば問題ないはず
「クソォ……!俺があの金を……取り戻さねェと……!!」
何を言っても彼は聞く気がないようで、動かない体で必死に前へと進もうとしている
しばらくその様子を見ていたアリスだったが、諦めたようにため息をつくとウソップの前に移動し、おもむろにしゃがみこんだ
「何だよ…!」
『ねぇ、ヤソップの息子さん。そこまであなたがそこまで言うのなら……その怪我、私が"受け取って"あげる』
にっこりと笑って告げたのは、意味深な言葉
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