紅の魔女 | ナノ




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海へと飛び込み、久しぶりに感じるのは水の感覚

能力者となってからは感じることのできなかったそれに、アリスは小さく笑みを浮かべる

当然力は入らず、指一本動かすことができず沈んでいくばかりだったが、それでも不安や恐怖はなかった

悪魔の実を口にするまではよく海に深くもぐってはこうして海を楽しんでいたものだ

今となっては実現不可能となったそれだが……いつか必ず、この海を取り戻すと決めているから特別寂しくはない

コポリ、と口から空気の泡がこぼれたその時――グイッと腕を掴まれ、そのままグングンと上へと連れられていく

チラリと見えた人魚の尾鰭に、小さく笑みを浮かべた


ザパァン


「ホラ乗んな!能力者共!んががが!」


ぽいぽいぽいっとアリスたち能力者を海から引き揚げたのは、人魚であるコロロさん

落とされた先は、既にサンジたちがいるGM号だ


「メリーだ、メリー号だ――!おれやっぱりメリー号大好きだ――!」


「信じられねェ…この船はあの時海に…!」


『コホッコホコホッ…』


……約1名、海水が変なところにはいったようで咳きこんではいるが、皆無事GM号に集合していた


「ぶは――!危なかった…軍艦に殺されるかと思った――!おいロビン!助かった、ありが…ムグッ」


ルフィのお礼の言葉は他でもないロビンによって止められていた


―――あとはおれ達に任せろ!!


「みんな!ありがとう」


礼を言うのはあの言葉通り助けてくれた自分であって、何か礼を言われるようなことはしていない

穏やかな笑みとともに言われた言葉に、クルーらは各々笑みを浮かべる


『…本当に、ありがとう』


それは心の底からの言葉だった

ロビンを助けてくれて…彼女の"居場所"を作ってくれて、ありがとう

柔らかい笑みを浮かべて言われたその言葉に、ルフィはニカリと笑う


「気にすんな!ししし!!」


「んなくだらねェ事言うのはここ逃げきってからにしろよ!」


穏やかな空気はゾロの言葉によって現実へと戻され、いつも通り始まったゾロとサンジの小競り合いに、ロビンはクスリと笑みを浮かべた

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