紅の魔女 | ナノ




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「おいルフィ!急いでこっちへ来いよ!逃げなきゃ助からねェんだ!!どうしたんだよ!もう一息だ!」


ウソップが叫が、ルフィは倒れたままピクリとも動かない


「ゴムゴムでこっちへ飛んでこい!後は俺が担いでやるから!周りは海と海軍だらけだ!ここにいたら殺されちまうぞ!!」


それでも体が動かないルフィは逃げることができない

海軍側に僅かに動きが見え、アリスはマズイと顔をしかめる

――脱出手段が、バレた…!


「ウソップ!ルフィのいる支柱へ船を回しましょう!全員急いで船へ!!」


ナミが指示を出したその時、無情にも脱出船から火があがった

砲撃された船はあっけなく海に沈んでいく

船に残っていたチョッパーやココロの安否が心配されたが、それは今まで姿を消していたサンジが助けだしていたため事なきことをえる


「よかった……!、サンジ君!あんた一体どこにいたの!?」


「いや悪ィちょっとヤボ用で!」


抱え込んでいたココロたちから手をはなし、息を整えようとするサンジ


「しかしまいった!ドえれェ事になった!!こっち側にはロビンちゃんとアリスちゃんがいるから砲撃はねェと思ってたのに…船が!!」


武器を向けてきた海兵を非戦闘員であるココロが吹きとばしたりしていたが、次第に橋が壊されて一味は追い詰められていく

そしてとうとう第二支柱に追い詰められ、身動きがとれなくなってしまった

周囲を取り囲むのは何隻もの軍艦、それらは全てこの第二支柱に向けられている


『……っ、』


無茶しすぎて悲鳴をあげている体は無視し、どうすればこの状況を切り抜けられるのかを考える

だがいくら考えても、この場から全員無事で脱出できる方法なんて思い浮かばない

第一支柱にはピクリとも動けないルフィ、そして海を挟んだこの第二支柱にいる自分達―――これらを繋ぐ"かけ橋"がないからにはどう頑張っても脱出はできない

"風"で無理やり活路を切り開くべきか―――…

今この状況では自殺行為の何物でもないが、それしか方法がないのも事実


―――せめて、ここに船があれば…


<第一支柱に一斉砲火、用意!>


先に動けないルフィから始末をつけるようで、いくつもの大砲が向けられる


<麦わらのルフィをただちに抹殺せよ!!>


『、仕方がない……!』


ここで動かなければ本当にルフィが危ない

意を決し、周囲の"風"を集めようと意識を集中した時――――


『……え…?』


―――小さな、だけど確かな"声"が聞こえた

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