139 もう一人の仲間
この世界は醜く、だけどそれ故に美しくもある
欲望が渦巻く世界だからこそ、その中に純粋さも見え隠れする
絶望があるから希望も生まれる
憎しみを感じれば、また愛することの大切さを知る
――そんな矛盾を孕んだ世界だからこそ、"魔女"は生まれた
もう一人の仲間史上最強と言われた現在のCP9を、麦わらのクルーたちが破った
その事実に海軍は動揺し、逆にクルーたちは喜びに声をあげる
「全員脱出船へ!船を出すわよ!!」
ナミの言葉がその場に響く
微かな光でしかなかった希望が、現実のものとなってくる
それに拍車をかけるように、突如として大きな声が響き渡った
<やったぜ麦わらさ――ん!!>
フランキーが目を見開く
<アニキ――!おれ達ァ全員無事ですよ――!!>
電伝虫から聞こえてくるこの声は、死んだと思われたW7の仲間たちだった
フランキーの目から涙が流れる
<逃走手段もあるんでこっちは大丈夫!後で生きてあいましょう!>
全身で喜びをゾロに語るフランキー
だがフランキーもまたここから逃げ出さなければ彼らと再会することはできない
「第一支柱、麦わらから目を離すな!!」
<は…はい、それが…!海賊麦わらのルフィもまた致命傷の色濃く!その場から全く動きがありません!!>
その報告に耳を疑ったのはアリスだけではないだろう
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