紅の魔女 | ナノ




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ただ黙々と"紅"を振るって海兵の数を減らしていくアリス

スパンダムに無茶苦茶やられた時の傷はまだあるというのに、それを感じさせない動き

自分より大きい人間を簡単に戦闘不能にしていく姿に、人は"魔女"の姿を見た


――女ながらにその首に2億2千万ベリーもの大金をかけられた"魔女"を


アリスと同じように、一人で幾人もの海兵を相手にしていく麦わらのクルーたち

ルフィが決着をつけ、ここに戻ってくるまで――彼らはここでただ耐える









――そして、彼らが待ち望んだ瞬間がやってきた


相対していた海兵をまた一人斬り伏せたアリスの耳に、大きな轟音が届いた


ボゴォンッ


『!?』


思わず一瞬手をとめてしまうぐらいの轟音

ざわめく周囲


「!第一支柱が!!」


誰かの叫ぶ声に、反射的にその第一支柱…ルフィたちがいる場所を見つめた

遠すぎて何が起こっているのかは理解できない

それは周りの海兵たちも同じなのか、戦う手をとめて辺りを見渡している


『ルフィ…』


間違いなく、2人の戦いに何らかの変化がついたのは間違いない

ルフィが勝ったのか、または―――

静寂が空間を支配する

そして―――…


「一緒に帰るぞォ!ロビ―――ン!!!」


聞こえた、ルフィの大きな声

それとほぼ同時にいれられた放送


<ぜ、全艦に報告!CP9ロブ・ルッチ氏がたった今…!海賊の麦わらのルフィに!敗れましたァ!!>


『勝ったんだ…よかった…』


信じていたとはいえ、勝った事実にアリスはホッと肩を撫でおろしたのだった

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