紅の魔女 | ナノ




130


――ドゴォンッ!!


そして突如、ルッチとルフィがいるであろう建物から、大きな音と同時に…大きな手が、建物を壊すようにして突き出していた

それと同時に、小さな影が飛び出して近くの船へと落ちていくのもハッキリと見えた

あの黒い影は恐らくルッチだろう……ということは、あの巨大な手はルフィのものとなる

すぐにルフィもルッチを追うように船へと飛び、凄まじい戦闘を繰り広げる

軍艦を壊す勢いで戦う2人

そしてその一連の戦いは、味方であるはずの他の軍艦から放たれた砲撃によって終わりを告げる


―――ドドドォン…!


「オイオイ…海兵ごと撃ちやがった…!」


フランキーの言葉通り、あの軍艦にはまだ何百人もの海兵が乗っていたはずなのに、船は何の躊躇いもなく攻撃された


「ワハハハハ!おい、見たか!?たった今あの軍艦で暴れてた麦わらがコッパ微塵だ!ワハハ、ザマァ見ろ!お前らの船長は死んだ!!」


煙をあげ、海へと沈んでいく軍艦


「これが!俺が発動した"バスターコール"の力!これが正義だ、カティ・フラム!さァ、その女たちをこっちへ引き渡せ!」


スパンダムの視線が、震えて座り込んでいるロビンと倒れているアリスに移る


「だいたい何故お前がソイツらを守ってやる必要がある!海賊でもあるめェし!お前らは、お前ら凡人共を日々守ってやる世界政府よりも、そのオハラの血を引く物騒な女を、世界が危険視する"魔女"を信用するってのか!?我々に逆らえばお前もトムと同じ様に、死ナバス!!」


最後の台詞の途中で、フランキーの拳がスパンダムの顔面を殴り飛ばす

殴り飛ばされたスパンダムだったが、おもむろに腰から剣を…象剣"ファンクフリード"を抜いた

スパンダム自身は弱いが、その武器である意志ある剣は強い


「(いいか、ファンクフリード…後々抵抗できねェ様に…今油断しているニコ・ロビンに致命傷を与えろ!)」


小声で命令し、狙いをフランキーではなく座りこんでいるロビンへと向けさせる


「くらえ!!!」


鼻を鋭利な刃物と変えた象が、真っ直ぐにロビン目がけて伸びてきた


「"エレファント・チョ〜ップ"!!」


「え…」


座りこんだロビンに、それを避ける術はない

あわや、その鋭利な刃がロビンに突き刺さるか否やというところで―――1つの影が、入り込んだ


『――――…』


「…、アリス…!?」


そう、今まで気絶していたはずのアリスだ

.

[ 131/145 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -