紅の魔女 | ナノ




128 バスターコール





あの光景は一生忘れないと思うよ……何たってあの子が叫んだんだから

何故かって?それは自分の大切なヒトを守るためさ

…きっと今僕が生きてるココの情報は消されてしまうんだろうね

あぁ、別に僕のことはどうだっていいんだった

そうだなぁ…ただの女の子だったよ、あの子は

ただの…悲しいぐらいの、恋する女の子だったんだ


―――今は無き男の手記より抜粋










バスターコール










「1番…3番…4番……5番!!」


カチリと音がして、ロビンの海楼石の手錠が外された


「よし、次は…!!」


フランキーは残りの鍵を持ってアリスのところへ行き、3番の鍵で彼女の手錠も外すことに成功した

相変わらず意識はないが、若干表情が和らいだと感じるのは気のせいではないだろう

手錠が確かに外れたのを確認し、フランキーは電伝虫に話しかける


「こちらフランキー!おい、長っ鼻!ニコ・ロビンと"魔女"の手錠は外したぞ!!」


「長鼻くん…ありがとう!」


ロビンもまた、電伝虫に感謝の言葉を告げる


≪礼なら全てが済んでから必死に鍵を集めた者達に言いたまえ。君は紛れもなくルフィ君達の仲間だ!もう思うままに動けばよい!≫


「…えぇ」


くるりと後ろを振り返り、"六輪咲き"と呟く

すると6本の腕がスパンダムの体からはえ、高速ビンタをした


「存分に…!やらせて貰うわ」


もう、ロビンの瞳に涙は浮かんでいない

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