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悔しくて悔しくて…ただただ悔しくて、声もなく涙を流していたロビンの耳に、大きな爆発音が聞こえてきたのは突然だった
――ドカァンッ
聞こえてきた爆音、それとほぼ同時に煙が見えて……僅かにとある人影が海へ落ちていくのが見えた
「カ…カティ・フラム!!地雷か…!なぜあいつがここに!?」
―――そう、フランキーだ
海に落ちていく姿を安心したように見たスパンダムは、先を急ぐようにロープを強く引いて歩き出す
助けにきてくれたフランキーの姿に、ロビンの瞳からは涙がとまることなく溢れていく
言葉にならない想いが溢れると同時に、悔し涙が止まらない
「よく見ておけ!!この一歩こそ、歴史に刻まれる英雄の!!第一……」
門をくぐる一歩手前まで来た時
―――ドゥンッ!!
「ポガバ!!」
突如として…炎が、スパンダムを襲った
「…!?」
衝撃でか吹き飛んでいくスパンダム、それを呆然と見上げる海兵たち、そしてただ驚くロビン
「何だァ!?何者だ!?」
「橋には誰もいないぞ!」
「いないハズはない!どこかに隠れてるんだ!探せ!!」
慌てふためいて敵影を探す海兵たちだったが、どれだけ探してもその姿は見つからない
その間も次々と……どこからともなく、狙撃されていく
そう、これは"狙撃"―――
ロビンの瞳から、悔し涙ではない涙がこぼれる
「い、いました長官!司法の塔のてっぺんに…!!」
「司法の塔だと!?あんなトコから何ができるってんだよ!!」
遥か遠くにある、司法の塔
距離がある上に、強風が吹き荒れるこの中を、寸分違わず狙撃できるのは、麦わらの一味の彼しかあり得ない
「長鼻君…!!」
ポーズを決め、変なお面をつけている彼だったが、ロビンの目には何よりも頼もしく見えた
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