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「急げ!」
ロビンの腕を引く力が増し、階段をのぼっていくスピードも早くなる
スパンダムはアリスを抱えながら勢いよく階段をあがっていく
「畜生、何てこった!こんな所まで海賊に踏み込まれるとは!!」
一匹の電伝虫を取り出し、何度も何度もボタンを押す
「おい!全員応答しろ、CP9!!てめェら一体何やってんだ!?海賊が一匹ここへ来たぞ!!」
しかし、電伝虫からは何の応答もない
「…聞いてんのか、おい!返事くらいしやがれ!!」
そこで、ロビンはあることに気づく
「待って!…あなた、それは……!!」
「ん?……えぇェ――――っ!!ゴ…ゴールデン……」
そう…先程スパンダムが一生懸命ボタンを押していたのは子電伝虫のではなく、黄金色の…ゴールデン電伝虫
つまり―――バスターコールの発動要請が、海軍本部に届けられたということ
このエニエス・ロビーだったら30分程度で多くの軍艦と中将5人がこの場にやってくるだろう
「おいっ!おいっ!」
わたわたとスパンダムは子電伝虫を通話状態にする
≪はい、長官≫
「畜生、しまった!こっちだ子電伝虫は!何て事を!ウッカリした!!よりによってゴールデン電伝虫を押しちまった!!」
"ウッカリ"なんてレベルを遥かに超える事態に、ロビンは震える
「よりによって、"バスターコール"をかけちまったァ――――っ!!」
「……!バカな事を…今すぐ取り消しなさいっ!!大変な事態になるわ!!」
「何をォ!?取り消しなさいィ!?…オイオイ、誰に口を利いてんだてめェはァ!!結構じゃねェか"バスターコール"!!何が悪い!?」
この会話がエニエス・ロビー中に流れているとは知らず、スパンダムは言葉を続ける
「そうさ…いいじゃねェか。俺はサイファーポールNo.9の長官だぞ…貴様らを無事政府へと受け渡す為"バスターコール"をかけた!ハハ…それでいいじゃねェか…!!万が一ここで何が起きようとも、最終的には海賊共を確実にみな殺しにできるんだ!!」
「バカな事を…言ったハズよ!!それだけでは済まない…!!」
20年前の悪夢が、ロビンの脳裏を横切る
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