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一方その頃、アリスたちはというと……4人で、地下通路を歩いている最中だった
「ワハハハハ!助けは来ねェぞ、ニコ・ロビン!そもそも奴らは"正義の門"へ辿り着く手段を知らねェんだ!!」
高笑いするスパンダムの後ろにロビン、ルッチ、そして彼に担ぎあげられているアリスが歩いている
アリスは苦しげな表情を浮かべながら目を瞑っており、その額にはうっすらと汗も見える
意識はかろうじてある状態だが、とてもじゃないが口を開く気力はない
そんなアリスの状態をロビンは心配するのだが、立ち止まることはできずただ前を歩くしかない
――どれだけ歩いたのだろうか…ただただ一人喋り続けるスパンダムを無言で無視して歩いている最中、突然大きな鈍い音が響いてきた
ドガァン!!「…今、ものスゲェ音がしたが……気のせいか?気のせいなわけねェな!」
思わず立ち止り、後ろを振り返ったスパンダム
アリスの耳にもその轟音は届いていた。何か大きなものが破壊されるような、そんな音だったが…
「海賊の誰かが…扉を破壊した音では?」
「あァ!?そんなバカな事あるか!!あのぶ厚い鉄の扉だぞ!!第一奴らが扉を見つけられるハズがねェ!!」
「――いえ、分かる筈…子供とペットが我々をつけていましたから」
「え―――っ!?な…なぜお前、それを知ってて消さなかった!!」
近くで展開されている会話を耳にいれながら、アリスは小さく笑みを浮かべる
もうすぐで、彼らが来てくれる
風が、教えてくれる―――誰かが、この地下通路を勢いよく走ってきていることを
まだ距離はあるが、それは決して追いつくことが不可能なものではない
「指令が…出ませんでしたので」
「何を!?コノ間抜けめ――!!それくらいてめェで判断しやがれ!!何だよオイ…じゃあ誰か今ここへ向かってるってのか!?」
馬鹿にされていることに気づいていないスパンダム
ルッチはわざとここの通路の存在をバラしたのだ
あわよくばルフィと戦うために…
そうじゃなければわざわざ子供を見逃すなんてことするわけがない
『……――』
早く、来て…ルフィ
また歩きはじめたルッチの肩に担がれながら、アリスは小さく唇を動かした
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