118 鍵を奪え!
風の愛し子、それは悪魔と契約を交わした憐れな女
生まれながらにして十字架を背負う紅き一族
風に愛され、海に守られ、自然を従えるその者、ただ悲しげに笑わん
―――今は無き古き本の一節を引用
鍵を奪え!「チャパパパパ…!さっきの部屋へ行っても、もうニコ・ロビンも"魔女"もいないぞー。ルッチが"正義の門"へ連れてったからな。あ、あと長官もな」
司法の塔に突入したルフィたちを出迎えたのは、フクロウだった
今から囚われの仲間を救い出そうと意気込む彼らに、フクロウは無駄だと言わんばかりに笑みをこぼす
「今向かってるところだが行き方も教えないし、俺達"CP9"がそれをさせない。お前達を抹殺する指令が下っている!チャパパパ!お前達は俺達を倒さなければ、あの女たちを解放することはできないのだ」
フクロウは懐から出した1本の鍵を見せびらかす
それは、ロビンたちの身動きを封じている海楼石の手錠の鍵だ
「お前達が万が一ニコ・ロビンらを救い出す事があっても、海楼石はダイヤの様に硬いのでその手錠は永遠にはずれる事はない。それでも良ければこのまま助けに行け。チャパパ」
「じゃあよこせ!!」
ルフィの攻撃を"嵐脚"で軽く避けるフクロウ
「慌てるなーまだこの鍵が本物だとも言ってないぞ。別の手錠の鍵かもしれない…この塔の中に俺を入れて"CP9"は5人いるが、それぞれ一つ、鍵を持ってお前達を待っている」
つまり、CP9を1人ずつ仕留めて鍵を奪い、手錠に試してみるまで本物がどうか分からないということで―――それはかなりの時間のロスに繋がることは間違いない
先にロビンたちを確実に奪い返してから、後でゆっくり手錠を奪えばいいとナミが提案するも、それは鍵を海に捨てるというフクロウの言葉によって実現不可能となる
言いたいこと言ったら、フクロウはその場から姿を消した
それを追いかけようとしたルフィを押しとどめ、麦わらの一味は作戦会議を始める
「"ルッチ"ってのはあのハト男の事か?」
「あぁ、そうだ」
「そいつがロビンちゃんとアリスちゃんと一緒にいるんだったら、ルフィだけでも先に行かせよう。ルフィ、お前はとにかくハト男をブッ飛ばせ!!ルフィを除いて俺達は6人――ここに5人いるらしい"CP9"から2人の手錠の鍵を5本手に入れ、ルフィを追う!」
「ロビン君たちが門をくぐれば全て終わる…何もかも時間との勝負だな」
「敗けは時間のロス――全員死んでも勝て!!!」
最後、ゾロの言葉に全員頷くと…一斉に走り出したのだった
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