悲しき詩 | ナノ




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――同時刻 江戸から離れた空の上


「主」


静かな、感情の見えない声で呼びかける女性――ルル・ベル


「やられました。転送不完全で"生成工場"が約80%を損失。クロス・マリアンの狙いはこれだったのかも」


こちらの方舟に転送されるはずの卵が"向こう"に戻ってしまい、核となる卵がなくなったせいで不完全な環境となってしまった新しい方舟

ルル・ベルからの報告に、千年公はハンカチを噛みしめる


「これ作るのにすごいお金と汗と時間がかかるんですヨ!v」


「今はアクマを増やさないといけない時期ですのにこれじゃ足止め、」


布の裂ける音


「方舟が奪われタ……」


クスクスと笑う声


「"心臓(ピアノ)"は無かったハズですのになぜ…ッやはり…あの舟には14番目の呪いが生きてたのダ…vじゃなければいくらの"アイラ"がいたとしても動かせるわけがありませン…v」


びりびりに引き裂かれたハンカチが、持ち主の強い感情を表している


「エクソシストどもに…奴らニッ」


くすくす笑う千年公から感じる強い感情―――それは、強い"怒り"


「"14番"が手を貸したのでしょうかネ…ッv」


「は、伯爵タマ…?」





「汚らわしい…腐った羊めガ……v」





恐ろしい形相で、千年公は呟いた







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