147
ドン ドン ドン
容赦なく向けられる弾丸は、いくらティキ・ミックが吹き飛ばしてもターゲットに当たるまで弾丸が止まることはないのだから無意味だろう
「い…一方的…」
ツナとアレン、ラビの3人がかりでも敵わなかった相手に、動けない愛結を守りつつ1人で互角以上に戦うクロス
その大きい力の差をまざまざと見せつけられ、ラビらは肩を落とす
「俺らはまだまだ、弱い…」
ふいに、地面が大きく崩れる―――それは、この方舟の崩壊の時刻が、近いことを指し示していた
「師匠ぉ―!!」
「時刻か…急がないと間に合わねェな」
言葉とは裏腹に焦った様子はなく、地面に倒したティキ・ミックに銃を向ける
グッと引き金に力を込めたその時―――突如、2人がいた地面が大きく割れた
「おっと…!」
すぐに態勢を整え、再度"断罪者"を構えるが……割れた地面から現れた人物に、軽く目を見張る
「これはまた」
アレンの退魔の剣と非常に酷似した大剣を持ち、両肩にティキ・ミックと紅蓮を担いだ、恰幅のいい男―――
地面が崩れたのは、クロスらがいる場所だけではない
「――!!」
アレンたちがいる場所も大きく崩れ、それにラビらが巻き込まれてしまう
何とか無事だったアレンとリナリーが、必死に手を伸ばすが……
「ちぇ…ティキにやられたんがきいちまったな…限界か…」
ラビが伸ばした槌はあっけなく壊れ、仲間たちが奈落の底へ落ちていくのをアレンは茫然と見ていることしかできない
手からこぼれ落ちる、槌の残骸
「わああああああぁぁ!!!!」
「こんばんワv」
「よぉ。相変わらずパンパンだな、このデブ」
クロスは現れた千年伯爵と相対する
両者"キーとなる人物"を抱えながら、視線を交える
―――ポタリと、愛結の血が地面に落ちた音は、崩壊の音にかき消された
迫るカウンドダウン(おきて、ておくれになるまえに)
[ 316/461 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]