132 絶望への階段
「――どうして…?あいつらはアクマとグルになってアニタ様やマホジャ様、俺の仲間をいっぱい殺したんスけど……?」
アレンがティキも助けると言った言葉に、チャオジーは暗い声で呟く
「あの高井愛結って人も…シルフさん殺したんスよね?ノアなんスよね…?あの男と同じなんスよ……?」
愛結を助けるため、戻ってくるまで待つと言ったツナに向けられる言葉は重く、苦しい
「なのにどうして?"助ける"?"待つ"って……俺らの想いを裏切るんスか?……助けるんならアンタらは敵だ」
「、チャオジ…ッ」
リナリーが悲痛な声で彼を止めようとする
ぴしり
―――それは、唐突に起こった"悪夢"だった
「…っ!!」
禍々しいまでのナニカが下で発生し、チャオジーの立っている足元の地面に亀裂がはいった
ぞくりと体が震え、恐怖する程のナニカに一番最初に気付いたのは、超直感を持つツナだった
だが、下にいるのは気絶しているティキしかいないはずなのに――!
「奴らと同じ悪魔だ!!」その声にハッと我に返り…ツナは無意識のうちにチャオジーに向かって駆け出していた
それに一歩送れる形でアレンもまた、足を踏み出す
「「チャオジー…!」」
ほぼ同時に2つの手が彼を突き飛ばして…尻餅をついたチャオジーが何事かと顔をあげた、とき
ドンッ目の前にいたはずのアレンとツナの姿が、見えなくなった
「アレンくん!?」
「、ボス…!!」
下から突如襲ってきたのは…例えるなら蔦に似た…しかしソレではないと絶対に断言できるモノで、それが2人を絡め取っていた
「がっ…ち、ちかづかない、で……あ…ぐ…っ」
「がぁ…っ、あぁ!!」
2人の苦しげな声に比例するようにバキバキと強く締め付けている音が響き、周囲の人間は金縛りにあったかのように動くことができない
「「うあぁぁああぁぁあああぁぁぁ!!!」」唐突に下に引きずり降ろされ姿を消した2人に、ようやく動くことができたラビたちは慌てて大きな裂け目から下を見下ろす
「くそっ!引きずり降ろされたッ!!」
「ティキ・ミックなの!?どうして…どうして!?」
「そんな…」
口々にラビらが話している横で、助けられたチャオジーは恐怖と後悔の入り混じった表情で呟いた
「だから…奴らなんて助けなければいいんス…どんな理由があったって奴らは人間を殺す…"悪魔"だ―――」
。
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