悲しき詩 | ナノ




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「お!!」


「それ本当!?ヒッ!」


思いがけない朗報にジャスデビの目が輝く


「本当だよぉ。扉開いてあげるから行ってきなよ〜」


お馴染の扉を出せば、ジャスデビは嬉しそうに跳びはねる


「よっしゃぁ!弟子でこの鬱憤晴らしてやるか!ついでにこのツケも払わしてよ!」


「ロードありがとね、」


「行ってらっしゃぁい」










「…何でアイツら行かせたの」


静かになった室内

手を振って笑顔で見送ったロードにティキは問いかける


「……夢はねぇ、見てるときが一番楽しいんだよぉ」


その"夢"が現実になってしまったら、もうその"夢"は終わってしまう

だから自分は"夢"を――アレンをいたぶるユメを描きながら、ジャスデビがアレンをいたぶるのを楽しむのだ


「…歪んでるねェ」


「フフッ…愛結姉の"夢"はどんなものなんだろうねぇ」


過去という名の"夢"


「さぁな。でもま、少なくとも楽しいモンじゃねーだろうけど」


忘れなければいけない記憶なんて、大抵最悪なものばかりだ

忘れなければ生きていけなかったわけで、壊れてしまうかもしれないから自己防衛で本能的に忘れさせたワケで

つまり、"記憶"が覚醒の鍵となっている今――例え壊れてしまうかもしれなくても、思い出してもらわなければ困るのだ


「早く起きないかなぁ、愛結姉」


起きた時、それが"愛結"だという保証はないのだけど

ロードは楽しげに、笑みを浮かべた







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