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「お、おい…紅蓮とシルフが一緒に、って…どういうことさ!」
「シルフは、弟は別の任務で江戸に、いるわけないわよ…っ」
「信じるも信じないもお前ら次第だ」
遠くから微かに建物が崩れる音が聞こえ、ティキは指先に鍵を乗せる
「ロードの扉とそれに通じる3つのキーだ。これをやるよ」
スッと、鍵がティキの指をすり抜けて落ちていく
「考えて…っつても四の五の言ってる場合じゃねぇと思うけど?」
そう言い終わると同時に――ティキのいる場所に、崩れた建物が落ちてきた
ドォォン
「わっ!」
<ティッキー!>
「建物の下敷きになったである!」
砂埃をあげ瓦礫の山と化したソコを見て皆口々に言葉を発するが……ツナは、小さく呟く
「……違う」
直感で分かる――彼は、生きている
ヒュン
「!」
その証明とばかりに、先程までティキが持っていた鍵が神田に向けて投げられる
「…エクソシスト狩りはさー楽しいんだよねー」
少しこもって聞こえるが、間違いなくティキの声だ
「扉は一番高いところに置いておく。崩れる前に見つけられたらオマエらの勝ちー」
「…ノアは不死と聞いてますよ。どこがイカサマなしですか」
死なない相手に命を賭けても勝ちは見えない――アレンが口を挟めば、ティキの愉快げな笑い声が響く
「ハハハ…っと失礼、何でそんなことになってんのか知らねーケド、」
瓦礫の中を通り抜けながら、ティキは嗤う
「俺らも人間だよ?少ー年。死なねーように見えんのは、オマエらが弱いからだよ」
――自分より弱い人間相手に、死ねるわけないだろ?少年
瓦礫の崩れる音が響き、ティキの声は完全に聞こえなくなった
。
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